寄生獣 (2014)




「寄生獣」(2014)


監督:山崎貴
脚本:吉沢良太、山崎貴
出演:染谷将太、深津絵里、橋本愛 他

あらすじ

高校生の泉新一(染谷将太)はある日突然謎の生命体に寄生された。右手に寄生したその生命体は言語を理解し、勉強を始める。そして1日で日本語を習得したその右手は形状を自由に変えられ、宿主であるシンイチとも普通に会話が出来る世にも奇妙な生命体だった。名前には無頓着で、右手に寄生したからミギー(阿部サダヲ)と言う安易な名前を自分に付けた。時を同じくして、世間ではミンチ殺人と呼ばれる残忍な手口による殺人事件が多発し始める…。

感想

約20年前の漫画作品でありながら今なお根強い人気を誇る『寄生獣』。今年になるまで映像化権の問題でメディアミックス化がされずに居たが、ついに今年2014年、10月にはアニメがスタートし11月には二部作の前編となる実写映画が公開された。完結編となる後編は2015年4月25日に劇場公開予定である。

物語はある日突然どこからか謎の寄生生物が訪れるところから始まる。その寄生生物は人間の脳を奪い、宿主になり変わって全身を支配し、人間を捕食するという性質を持っていた。そしてそんな性質を持ちながらも高い学習能力で人間社会にひっそりと紛れ込んでいった。そんな寄生生物の1匹は高校生泉新一の脳に侵入しようとするも失敗し、右手部分に寄生して同化してしまう。右手にちなんで"ミギー"と名乗るようになったその寄生生物と宿主である泉新一は、人間側と寄生生物側のどちらにもなりきれない、そんな曖昧な存在として生きていく事となる…。

漫画全10巻、アニメでは2クールで放送中の内容を二部作の映画に纏めるにあたって、それなりに簡略化されている部分はあるものの、原作付きの映画の中ではまだ上手い方の纏め方だろう。少し駆け足気味な気がするが、それは尺の都合上仕方が無いと割り切れるレベル。原作ファンでもこのくらいは覚悟していたのではないだろうか?尺以外の部分で原作ファン、そしてアニメから入った人が最も違和感を感じるのはおそらくシンイチとミギーのキャラクターの違いだろう。シンイチを演じる染谷将太の演技はとても素晴らしい!が、脚本の段階からシンイチというキャラクターが原作ともアニメ(比較的原作に忠実)とも明らかに異なってしまっている。さらに阿部サダヲ演じるミギーは、原作やアニメ(声:平野綾)よりも感情が豊かに表現されている点も評価がわかれそう。個人的にはこんな笑えるミギーもアリだと思うが、もっと無機質で不気味なミギーをイメージしていた人には違和感があるかもしれない。

と、少しマイナス部分を先に書いてしまったが実は私は満足して劇場を後にしている。特に染谷将太の演技には光るものがあった。困惑するシンイチ、本当に心が壊れてしまうんじゃないかと観客に感じさせる高い演技力はとにかく圧巻。またミギーの日常モーションや戦闘CGも文句なしの出来栄え。さらにてっきりぼかされると思っていたのでPG12指定にしてはしっかりと描写されるグロにも好感を抱いた。
このように私はシンイチにもミギーにも比較的不満は少なかったが、私が唯一不満を抱いたのはシンイチの家族構成の改変だ。いわば"尺の都合"部分ではあるのだが、それでもここだけは残念に感じずにはいられなかった。
しかし作品としては概ね満足できる内容に仕上がっていたので、是非とも完結編には期待しておきたい。ちなみに本編終了後には完結編の予告が流れるので是非そちらも忘れずに見てから帰ることをオススメする。