デビルズ・ノット (2014)




「デビルズ・ノット」(2014)
原題『DEVIL'S KNOT』


監督:アトム・エゴヤン
脚本:ポール・ハリス・ボードマン、スコット・デリクソン
出演:コリン・ファース、リース・ウィザースプーン、デイン・デハーン、ミレイユ・イーノス、ブルース・グリーンウッド、アレッサンドロ・ニヴェラ、エイミー・ライアン 他



あらすじ

1993年アメリカ合衆国アーカンソー州ウエスト・メンフィスで起きた陰惨な事件。森の中で殺された少年達は手足を靴紐で縛られ、体には無数の暴行の痕があった。この事件で3人のティーンエイジャーが逮捕され、地元住民からも激しい糾弾を受けた。全米メディアまでもがこの小さな田舎町で起きた事件を大きく報道し、悪魔崇拝と関連付けられた裁判の模様は追って報道された。しかし、容疑者3人の弁護士に協力する形で事件を調べる調査員ロン・ラックス(コリン・ファース)はこの事件に疑問を感じずにはいられなかった。そして裁判が進むに連れて浮上する矛盾や証拠不足に殺された男児の母親、パム(リース・ウィザースプーン)も人知れず苦悩する。



感想

本作は実際に起こった事件を基に作られた映画である。しかし物語の中で事件に対し重要な意味を持つであろう人物については不自然なほどにぼかして描かれ、あくまでも容疑者として裁判にかけられた3人にスポットを当てている。そのため観客は次第に主人公である調査員同様の疑問を抱く。「彼らは本当に犯人なのか?」
それが本作における最大のメッセージであり、本作の起源である。表向きには解決された事件を扱った作品にもかかわらず、本作の懐疑的な視点で描くこの事件は完全に未解決事件である。今なお続くミステリーとしての側面が強調し描かれている。さらに"悪魔崇拝"というキーワードが物語に更なる疑問を投げかける。人によっては消化不良になるかもしれないラストは実話ならではだが、実話が基の作品の中でも本作はその特殊な描き方からさらに人を選ぶだろう。個人的にはとても興味深い作品であったが、事件自体をもっと陰惨だったとわかりやすくするインパクトのある描写があっても良かった気がしなくもない。このままでも遺体の見つかるシーンなどは充分ショッキングだが…