300<スリーハンドレッド>〜帝国の進撃〜 (2014)




「300<スリーハンドレッド>〜帝国の進撃〜」(2014)
原題『300: Rise of an Empire


監督:ノーム・ムーロ
脚本:ザック・スナイダー、カート・ジョンスタッド
出演:サリバン・ステイブルトン、エヴァ・グリーン、レナ・へディ、ハンス・マシソン、ロドリゴ・サントロ 他

前作「300〈スリーハンドレッド〉」と前後して、ペルシア軍と戦ったギリシャ連合軍の活躍を描く。
前作は低予算ながらもかなりの面白さを提供してくれたが、本作は正直前作には遠く及ばない出来となっている気がした。
そもそも「300〈スリーハンドレッド〉」と聞いて思い浮かべるものが前作の段階で完全に「スパルタ軍」となったが、本作ではスパルタ軍はほぼ登場しない。まあそれは前作でスパルタ軍について描ききってしまっているから当然なのだが…非常に残念である。
本作で主人公となるギリシア軍指揮官テミストクレス(サリバン・ステイプルトン)にも魅力はあるが、前作主人公スパルタ軍指揮官レオニダス(ジェラルド・バトラー)と比べてしまうとやはりやや劣る…。作品全体としても前作から漢臭さが減り、ペルシア軍指揮官アルテミシア(エヴァ・グリーン)が女性ということもあり生々しいセクシャルな描写が増えた。ゴア表現も前作では低予算の中でかなりの演出的工夫が施されていたが、本作ではCGに頼りすぎてとても大味になってしまっている。血飛沫の描写一つとってもどこが現実味に欠ける。戦術としても今作は海戦がメインで前作の"ファランクス"
のような大胆かつインパクトのある戦術は見られない。また物語の大筋のストーリーに関しても若干の不満が残る。テミストクレスは指揮官としてとても優秀だったが、アルテミシアは圧倒的軍事力を武器に部下や頼り作戦に関しては中盤まで幹部に任せ、兵を犠牲にしたりとなかなか姑息(無能)である。そのくせ大物ぶっているのがなかなかにチープだ。最も終盤ではそれなりに優秀な策を講じる場面もあるが、それもテミストクレスには一歩及ばず。戦闘技術や指揮官としての才能としてもあまり感じられないちょっと小物臭さが存在した。また序盤はアルテミシアの暗躍、黒幕的な存在として描かれるがそれにしては風格が足らなさすぎる。なにせ持ち合わせいるスキルは剣術と政治手腕であり、中盤では部下の不甲斐なさからテミストクレスに部下にならないかと誘いをかけるら(それも色仕掛け)。
役者陣は出来ることをやり切ったと賞賛したいが、監督や脚本やCGを手掛けたスタッフ達にはまだまだ学ぶべきことが多いだろう。

もともとスパルタを扱っておきながら若干のファンタジーを取り入れられてる点もあまり好きではなかったが前作は説得力があり、重厚なアクションも味わい深かった。それの続編と考えると少し後悔することだろう。それでもある程度の面白さはあるので「300〈スリーハンドレッド〉」好きなら一見の価値はアリだろう。だがしかし!「スパルタ」に期待してはいけないぞ!

あと本作で責められるべき点は間違いなく脚本や監督であり、役者の演技は申し分ない。前作よりもファンタジー色が若干強くなってる気がするがもともと完璧な歴史映画ではないのでその点は見過ごせる範囲内だろう。
基本的に前作との比較記事になってしまったが「前作で満足!」「蛇足はいらない!」という人は無理して鑑賞する必要もないと主われる。
久しぶりに酷評多めの記事を書いたがそこまで致命的に面白くないわけではないのがまたなんとも…。