プリズナーズ (2014)




「プリズナーズ」(2014)
原題『Prisoners


監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本:アーロン・グジコウスキ
出演:ヒュー・ジャックマン、ジェイク・ギレンホール、ヴィオラ・デイビス、マリア・ベロ 他

ペンシルバニア州のとある田舎町に住むケラー・ドーヴァー(ヒュー・ジャックマン)は妻と息子と娘、そして付き合いのある隣人家族と揃って感謝祭を迎える。しかしその最中、ドーヴァーの娘は隣人家族の娘と共に忽然と姿を消した。この事件は何者かによる誘拐として扱われ、現場付近に駐車していた不審なRV車を手がかりとしてロキ刑事(ジェイク・ギレンホール)が本件の捜査を担当する事になった。

したたかなミステリードラマとなっている本作は独自の行動で娘を探す父親ヒュー・ジャックマンと、研ぎ澄まされた刑事の勘で慎重に確実に犯人に近づいていく刑事ジェイク・ギレンホールの2人の捜索が同時進行的に描かれる。両者の迫真の演技による迫力は壮絶で、人の感情を描くドラマとしても、事件の真相解明に迫るミステリーとしても超一流の作品だ。

主に娘を誘拐された敬虔なキリスト教徒であるケラー・ドーヴァーの行動を問う映画として日本では広告されたが、この映画の本質はおそらくそこではない。製作者はケラー・ドーヴァーの行動が正しいか正しくないかという疑問を観客に持たせようとはしておらず、明確な答えが存在した上で本作は製作されている。その点について言及しようとすると若干ネタバレになるため本サイトではあえて避けるが、本作を鑑賞後に疑問に思う点があったら調べてみてもいいかもしれない。もちろんエンドロールで思考を巡らせて自分なりの解釈を導き出せるならばそれが最高ではある。
また個人的な意見だがミステリードラマとしてのしたたかさ、そしてラストの引き際の美しさ、映画全体を通しての雰囲気が昨年公開されたマッツ・ミケルセン主演映画「偽りなき者」に似ていると感じた。
このような良質な映画が2年続けて現れるとは正直言って驚きである。