ニュースの天才 (2004)



 
「ニュースの天才」(2004)
原題『Shattered Glass


監督:ビリー・レイ
脚本:ビリー・レイ
出演:ヘイデン・クリステンセン、ピーター・サースガード、クロエ・セヴィニー、スティーヴ・サーン 他
「ニュー・リパブリック」という権威ある政治雑誌の最年少記者を務めるスティーブン・グラス(ヘイデン・クリステンセン)の印象的な語りから物語は始まる。
「ジャーナリズムには目立ちたがりが多い。常に忙しく飛び回り、常に熱血漢を装っている。自分を目立たせるのが上手いのだ。だが小さな気配りが逆に目立つこともある。同僚にランチを運ぶとかだ。ジャーナリズムはハードワークだ。プレッシャーと戦っているし睡眠不足だけど、僕は笑顔を絶やさない。たまに一息いれてもピュリッツァー賞はとれる。政治ネタはおいしいというが、結局は人間のクセや欠点の話だ。それは人間の行動を切り取っているにすぎない。誰のために書くのか。自分の得意分野は?僕は人が感動したり怖がるものを探し記事を書く。当事者の目線で。そんな記事でもピュリッツァーはとれる」
スティーブンは気配りのきく人柄から同僚達からも評価され、斬新な記事は他社から執筆依頼が来るほど人気を集めていた…。


実際にアメリカで起こった記事捏造事件を描いた本作。どうしてこうもヘイデン・クリステンセンは人としてダメな役が似合うのか。スター・ウォーズ/エピソード3で闇堕ちしダースベーダーとなるアナキン・スカイウォーカーを熱演したが、本作のスティーブン・グラスも非常にはまり役である。特徴として彼の演技は前半と後半の感情の変化の表現が上手いことが挙げられる。好青年が追い詰められ、感情の起伏が激しくなっていく演技をさせたら彼の右に出る者はいないのではないだろうか。時にその熱演が酷評されることも多くあるが…(アナキンの演技は2作共ゴールデンラズベリー賞を受賞してしまっている)私は彼の演技は個人的に好きなので評価したい。

そして本作の演技でヘイデンよりも特筆したいのは同僚のチャックを演じるピーター・サースガードである。「ニュースの天才」影の主人公とも言える立ち位置のチャックを演じるその演技はとにかく素晴らしい。脚本の影響もかなり大きいが、スティーブンとチャックの好感度は物語が進むごとに反比例していくのも面白い。


そんな本作はスティーブンの目線に立つとハラハラ。チャックの目線に立つと推理もの(?)に変わるちょっと珍しいタイプの映画で新鮮味があった。