アメリカン・サイコ (2001)



 
「アメリカン・サイコ」(2001)
原題『American Psycho


監督:メアリー・ハロン
脚本:メアリー・ハロン、グィネヴィア・ターナー
出演:クリスチャン・ベール、ウィレム・デフォー、ジャレッド・レト、ジョシュ・ルーカス 他

ニューヨークのウォール街で投資会社に勤務するパトリック・ベイトマン(クリスチャン・ベール)。高級なスーツを着こなし高級料理を食べ一等地に住み、とても裕福で充実した生活を送っている。しかしそんな彼には猟奇殺人鬼として裏の顔があった…。

ただのシリアルキラーもののサスペンス映画ではなく社会を風刺するブラックなユーモアが散りばめられ、そのあまりに滑稽な登場人物達に観客は失笑する。しかしそれ故にこの映画は難解であり、まず登場人物達の名前と顔を観客は関連付けなければならない。会話の中で多くの名前が飛び交うが、それが誰なのかを理解する必要がある。
そしてこの映画の根底にあるテーマは都会の"無関心"。これらを頭に入れて見ればこの映画の難解さは非常に和らぐ。

原作での殺人描写はとても細かく凄惨な光景が描写されるが、この映画では殺人描写をあえて隠しグロテスクな表現は避けているためその手の映画が苦手な人でも問題なく見られるだろう。ただし性描写は少々過激なためそちらには注意が必要。
登場人物、特に主人公の心理に重点を置いて描いた本作はクリスチャン・ベールの熱演により完成されている。製作段階で色々と揉め、レオナルド・ディカプリオ主演の可能性もあったが最終的にはクリスチャン・ベールに落ち着いたことがこの映画にとってはとても良い事だった。仮にディカプリオ主演ならば全く違った雰囲気を醸し出す作品になっていたことだろう。

素晴らしい脚本と素晴らしい演技に恵まれた本作の面白さは必見。ただしシーンやセリフの描写について色々と考察できる程には映画慣れしていないとこの映画を楽しむのは少々難しいだろう。