ゴジラ (2014)




「ゴジラ」(2014)
原題『Godzilla


監督:ギャレス・エドワーズ
脚本:マックス・ボレンスタイン、フランク・ダラボン、デヴィッド・キャラハム、ドリュー・ピアース、デヴィッド・S・ゴイヤー
出演:アーロン・テイラー=ジョンソン、渡辺謙、ブライアン・クランストン、エリザベス・オルセン、ジュリエット・ビノシュ 他

アメリカ合衆国製作による『ゴジラシリーズ』のリブートである本作。1998年にアメリカで作られた「GODZILLA」とは関係しておらず、あくまでも日本版ゴジラのリブート。ゴジラのデザインは日本版のイメージから離れる事なく時代に合わせての巨大化とアメリカンテイストが加えられている。そしてなによりゴジラは『自然』なのだ。

このゴジラはとても素晴らしい作品であった。怪獣としてのゴジラを製作者達は完璧に理解しているし、反原発というテーマもしっかりと添えられている。比較的容易に核を使おうとするアメリカの愚かさと、それを止めようとする日本人(渡辺謙)という構図が現代映画においてのある種の風刺として使われている。が、当時の東宝ゴジラほど色濃い反原発ではない。そして反原発を唱える説得力ある日本人キャラクターとして渡辺謙が抜擢された。彼以外にもこの映画には多くの日本人が様々な形で関わっており、それがこのゴジラ映画としての完成度に貢献してるのは言うまでもない。渡辺謙以外のキャスト陣も実は非常に豪華なのだ。主演のアーロン・テイラー=ジョンソンは日本での知名度はそれほど高くないがこう言えばかなりの人がわかるのではないだろうか?『キックアス』と。

ゴジラファンならば劇場で見なければ間違いなく後悔すると言っておこう。アメリカ製作だからと言って毛嫌いするのは本当に勿体無い。監督のギャレス・エドワーズは東宝ゴジラのファンであり、モンスター映画の経験とファンとして蓄積された怪獣映画の融合をこの作品で見事にやってのけた。
この映画はビジュアルで語ることを意識しており誰も何も喋らないシーンが多い。ゴジラの描き方も非常に工夫されておりやすやすとその姿を見せてくれない。そのはずなのにこの映画は終始ゴジラが支配していた。さらに様々な視点から描かれるゴジラもストーリーの重点をドラマに置いたからこその面白味があった。これは最高のエンターテインメント作品であり最高の芸術作品でもある。

ハリウッドがこれを作ったのかと思うと感動で私は泣いてしまったし完璧に日本人の浪漫も理解されていて終始鳥肌ものだった。このクオリティで作られるならばもう是非とも今後ゴジラシリーズをハリウッドに作っていって頂きたい。ゴジラファンのゴジラファンによるゴジラファンの為の映画。ゴジラファンならば今すぐ見に行くべし。ゴジラファンでなくても見に行くべし。
これはまさにゴジラだ。

余談だがパンフレットからは監督のゴジラ愛が存分に見受けられる。本作スタッフ達の初代ゴジラスタッフ達へのリスペクトも非常に詰まっていて、とても面白いパンフレットになっていた。この映画の興行やパンフレットから知りうる海外ファンの話などから、やはりゴジラはワールドワイドな怪獣なのだなあと改めて感じさせられた。


※追記
7/25、アメリカのサンディエゴで開催されているコミコン会場からニュースが届いた。それはこのギャレス版ゴジラ続編の製作が決定したこと。さらにその続編にはモスラ、ラドン、キングギドラの登場が示唆された。興奮と歓喜で心臓が張り裂けそう。