フローズン (2010)




「フローズン」(2010)
原題『Frozen


監督:アダム・グリーン
脚本:アダム・グリーン
出演:エマ・ベル、ショーン・アシュモア、ケヴィン・ゼガーズ 他

スキー場で遊び、1日を満喫していた3人の若者。終業時間を僅かに超えもうひと滑りしようとリフトに乗り込んだが、スキー場の係員の手違いによりリフトを停止させられてしまう。地上から15mの高さに取り残された3人。次の営業日は5日後、このままでは凍死してしまう。果たして3人は生き残れるか。

痛いです。とにかく痛い描写が続くのでそういうのが苦手な人は見ない方がいいと思います。そういう面でホラーです。終始この主人公達にとって最悪の状態が続きます。陽気だった3人から次第に笑顔が消え、余裕もなくなり、解決策も見いだせません。肉体的にも心理的にも事態は悪化の一途を辿ります。

とまあとにかく痛々しい描写があることを先に書いてしまいましたが、ここからいつものレビューっぽく書きますと、設定はワンシチュエーションとしてもそれなりに面白い題材だと思います。比較的身近なため「もしも自分がこうなったらどうしよう」という想像が膨らませられました。3人のキャラクターも定番と言えば定番のちょっとチャラい若者達ですが、ユーモアもあり造詣は良くできています。



しかし、本作は脚本に問題アリです。以降ネタバレ気味になりますが、この作品では狼が出てきます。この狼が脚本として非常に厄介な存在で「そもそもスキー場に狼出ていいの?」といった疑問が生じます。物語上3人が戦うことになるのが"地上から15mという高さ"と"雪山の極寒"とこの"狼"です。
飛び降りると無事では済まない高さにより孤立し、極寒による体力消耗という時間制限が発生し、なんとか下に降りても最後は狼の危険が存在します。これらにより本作は緊張感と面白さを得ることができたのですが、それはつまり「この状況をいったい彼らはどうやって切り抜けるのだろう。もしくは切り抜けられずバッドエンドだろうか」という想像を観客はするからです。
では果たしてどうなったのか?
1人目→思い切って落下するも足を骨折。身動きが取れなくなり、現れた狼に食い殺され死亡
2人目→ワイヤーを伝い柱まで到着。梯子で地面に降りストックで狼に応戦しなんとか撃退しつつ下山開始するも、途中で食い殺され死亡
3人目→リフトのネジが外れ、リフトごと落下かと思いきやワイヤーが頑張ったことにより落下停止。地面までの距離がかなり縮まり着地。満身創痍で下山する途中狼に遭遇するも狼は目の前のエサ(2人目の死体)に夢中でこいつは見逃す。下山し道路近くで倒れるが通りがかった車に発見され救出。

とまあこんな感じで終わったわけですが、この結末で納得する人いるんですかね?3人目の唯一の女性は何も努力することなく天(という名の製作者)に味方されひたすら運良く助かるなんて。所謂『ご都合主義』や『主人公(女)補正』です。途中まではそれなりに面白く、このまま2人目が救助を呼びに行けてなんとか助かるか全員助からずに死亡かで終わっていれば★★★くらいかな、と思っていたらこのオチで唖然としてしまいました。
設定が面白くキャラクター達にも魅力があっただけに非常に残念な映画でした。


ちなみに「アナと雪の女王」(原題:Frozen)ではなく「フローズン」(原題:Frozen)ですよ。何があっても間違えないように。