キューブ (1998)




「キューブ」(1998)
原題『Cube


監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ
脚本:ヴィンチェンゾ・ナタリ、グレーム・マンソン、アンドレ・ビジェリク
出演:モーリス・ディーン・ウィント、デヴィッド・ヒューレット、ニコール・デボアー、アンドリュー・ミラー 他

謎の立方体に捕らえられた男女。ここはどこなのか、なぜこんな場所にいるのか、そんな何もわからない状態で罠の張り巡らされた立方体の中を出口を求めて探索する。

今ではワンシチュエーションスリラーの代表作である映画「キューブ」非常に低予算で作られており、立方体がルービックキューブのように並ぶこの舞台を利用して、セットは色を変えて使い回されているなどの製作者たちの工夫が見られる。
ストーリーは主に「どうやってここから脱出するか」を描いているが、ワンシチュエーションスリラーの王道とも言うべき人間ドラマも濃く描かれている。理不尽な状況、素性の知れない男女達の間で起こる疑心暗鬼、絶望感からくるパニック、そんな極限状態の中唯一の手掛かりである部屋の番号を頼りに各々の得意分野を活かして脱出を目指す。

このキューブの謎を解き明かす"解"をテンポ良くちらつかせてはその"解"が間違いであることを突き付ける。この脚本により緊張感を絶やさず、いつ何が起きてもおかしくないという状況を保つ技法にはアッパレ。王道であるが故に素晴らしい。またキャラクター達に設定されている属性も非常に王道であり、それをしっかりと活かして物語を運ぶのでとても面白い。

ちょいちょいグロテスクなシーンがあるためそういうのが苦手な人には少々オススメしにくいが、現代の基準から見てしまえば「作り物」っぽさが感じとれるのであまりグロテスクとは感じなかった。ホラー映画ではないため観客をビックリさせる演出も特に無く割りと見やすかった。今ではワンシチュエーションスリラーの古典とも言える作品なので、気になってる人は是非尻込みせずに見てみる事をオススメする。