世界にひとつのプレイブック (2013)




「世界にひとつのプレイブック」(2013)
原題『Silver Linings Playbook


監督:デヴィッド・O・ラッセル
脚本:デヴィッド・O・ラッセル
出演:ブラッドレイ・クーパー、ジェニファー・ローレンス、ロバート・デ・ニーロ、ジャッキー・ウィーヴァー、クリス・タッカー 他

妻の浮気を原因とした躁鬱病を抱える元教師のパット(ブラッドレイ・クーパー)、 そして夫の死を原因に心に傷を負ったティファニー(ジェニファー・ローレンス)。この2人が出会い交流し立ち直っていく様を、家族愛や笑いと感動と共に描く。


向こうの諺でEvery cloud has a silver liningという言葉があるそう。これは直訳すれば「全ての雲には銀の裏地がある」という意味になる。どんなに分厚い雲でもその向こうは太陽に照らされている。転じて、逆境の先に待つ希望を表している。
そして本作の原題は「Silver Linings Playbook」である。つまりこれは「逆境への指南書」であったり「逆境に立ち向かう指南書」という意味を持つ事になる。この映画を鑑賞すればわかると思うがこれはとても素晴らしいタイトルだ。作り手が込めた愛と奥深さを感じる。
これを踏まえて言わせてもらえば「世界にひとつのプレイブック」なんていう邦題はなんの意味も持たない。映画の内容とは何の関連性もなく深い意味ももちろん存在しない。まったくいつもの事ながら日本の配給会社の無能っぷりにはウンザリさせられる。

だが邦題以外にこの作品に文句を付けることなどできない程、本作は素晴らしい作品だった。変化球な脚本から生まれる笑いと感動、パットとティファニーを主軸に描きながらも家族愛や友人家族との交流も同時にしっかりと描いている丁寧さ、脚本としてとても完成されている。

そしてこの癖のあるキャラクター達を演じるキャスト達も申し分ない。
ブラッドレイ・クーパーとジェニファー・ローレンスは近年注目を集めている俳優の筆頭でもある。そしてパットの父親を演じるはロバート・デ・ニーロ。演技力とスター性を兼ね備えた素晴らしい配役だ。また「ラッシュ・アワー」シリーズで一躍注目を集めながらもその後映画には出演せずにいたクリス・タッカーがパットの精神病院内で知り合った友人として登場するなど話題性にも富んでいる。


批評家の反応も異常なほどに高く、アカデミー賞では8部門にノミネート、主演女優賞をジェニファー・ローレンスが獲得。これを見ずにいるのは勿体無い。