REC/レック (2008)




「REC/レック」(2008)
原題『[Rec]


監督:ジャウマ・バラゲロ、パコ・プラサ
脚本:ジャウマ・バラゲロ、ルイソ・ベルデホ、パコ・プラサ
出演:マヌエラ・ベラスコ、フェラン・テラッサ、パブロ・ロッソ 他

消防士の密着取材に来ていたリポーターのアンヘラ(マヌエラ・ベラスコ)とカメラマンのパブロ(パブロ・ロッソ)。その夜通報があった建物へ消防士達と共に行くと、そこには凶暴化した老婆がいた。建物から出ようするもののなぜか大勢の警察達によって封鎖され、消防士と残りの住民達と一緒に建物ごと隔離されてしまう。そこで彼女ら待っていたのは思いもよらない惨劇だった。


ホラー映画って緊張感を持続させるのは本当に難しいですよね。特に本作のようなモキュメンタリー形式の映画だと恐怖心を煽るのに効果的な音楽が使えないので絵面と環境だけで緊張感を出さないといけません。その点本作は見事。短い上映時間ですがそれにしても上手くて、ずっとドキドキしっぱなしでした。

それはなぜなら、本作では恐怖の対象が観客の気付かないうちに切り替わっているからなんです。ある状況に対しての恐怖心に慣れてきたと思ったら次の恐怖心へと対象が移る。これを意図的にやって上手く観客を誘導しているのです。それを自然と繰り返すことによって緊張感を保ち、最終的に最悪な恐怖を感じる事になります。

また、本作ではカメラマンのパブロが比較的冷静なので観客はパブロの視点になって鑑賞します。それは文字通りカメラ視点=パブロ視点という意味も含みますが、立場的にその場にいるわけではない観客は登場人物達よりも圧倒的に冷静です。そのため劇中で最も冷静なパブロに心理的にも寄ってしまうのです。
そしてそれらを上手く利用するのがPOV形式映画の見せ所。本作はその点素晴らしかったと思います。

この映画、まあ見ればわかるのですが単なるゾンビで大パニック的な映画ではございません。劇中では真相の第一歩程度までしか踏み込みませんが、そこからが観客の仕事です。劇中で示唆されたあらゆる事柄について熟考してみてください。例えば「あれ?なんでこいつここにいるの?」だとか「こいつなんか知ってるのか?」だとか「これの意味は?」だとか感じた部分があるのではないでしょうか。その辺を少し掘り下げて考えるととても面白いバックグラウンドが見えてくるかもしれません。

また続編の「REC/レック2」では本作で一歩踏み込んだ真相にぐいぐい迫るみたいなので、本作が面白いと感じたら続編も見てみるといいかもしれませんね。ただ第3作目はかなり別映画と化している&ただのスプラッターゾンビ映画らしく、見るか見ないかはその人次第。第4作目が今年の年末にスペインで公開予定らしいのですがそちらは第1作目や第2作目に近い雰囲気に戻る(らしい)。

個人的には本作のバックグラウンドにあるオカルト要素がとても面白く興味を惹かれたので続編も見たいのですが、怖いのは苦手で本作の鑑賞でさえ音量ギリギリまで下げてもなおビクビクしながらの鑑賞だったので、迷うところです…。