十二人の怒れる男 (1959)

 


「十二人の怒れる男」(1959)
原題『12 Angry Men
 

監督:シドニー・ルメット
脚本:レジナルド・ローズ
出演:ヘンリー・フォンダ、マーティン・バルサム、ジャック・ウォーデン 他


少年の父親殺しという事件において有罪か無罪かを決める事になった12人の陪審員。
評決には全員の意見一致が必要で、議論の初めにとられた決ではただ1人の男を除いて全員が有罪。
ここから密室での長く熱い議論が幕を開ける。

「物語は脚本が面白ければ舞台なんて関係ない」
こういった話をするときに必ずと言っていいほど引き合いに出される密室劇の金字塔。
この映画で描かれる場所は男達が議論を交わすただ一室のみ。

現代まで語り継がれるこの映画の面白さはそれはもうお墨付きで、たとえ白黒映画だろうと面白いったら面白い。映像が古いなんてことはなんの問題にもならない。

そして私はこの映画の視聴に当たって吹き替え版をオススメする。この時代の映画の吹き替えにはとてつもない魅力がある。また本作は法廷劇なため字幕だと追えていない部分も多いのも吹き替えをオススメする理由の一つだ。

吹き替えには日本テレビ版とテレビ朝日版が存在するが、私のオススメは断然日本テレビ版だ。そもそもテレビ朝日版はBDにしか収録されておらず、DVDは全て日本テレビ版。

現存する音声しか収録されていないためどちらのバージョンもところどころで吹き替えから英語音声になる部分があるが、その部分は字幕で我慢するしかない。


また出演してる役者もなかなかに豪華な点も触れておきたい。

陪審員8番を演じるヘンリー・フォンダはこの映画以前から様々な映画や舞台などで活躍していたし、遺作となった「黄昏」ではアカデミー賞主演男優賞とゴールデングローブ賞を受賞した名優である。

陪審員7番を演じるジャック・ウォーデンはこの作品以前はブロードウェイで舞台をやるなど舞台での活躍が目立つが、この作品を機に注目を浴び映画やテレビ映画などで多彩な役柄を演じ活躍している。1970年代にはエミー賞を受賞、2本の映画でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされるなど実力も持っていた。

陪審員1番を演じるマーティン・バルサムはこの作品が出世作になり以降数々の映画に出演。1965年にはアカデミー賞助演男優賞を受賞している。これ以降も数々の映画やテレビ映画に出演しキャリアを重ねていった。

その他にも
陪審員2番のジョン・フィードラーは「くまのプーさん」シリーズのピグレット役などで知られているし、陪審員3番のリー・J・コップは「エクソシスト」のキンダーマン警部などで知られるなどなど、決して無名ばかりの低予算映画ではないのだ。

つい最近ネットで「古くて無名俳優ばっかだけどすごい面白い映画」などというようなことが書かれているのを目にしたのでついつい長く俳優の紹介をしてしまった。決して無名ばかりではない。むしろ凄い人達の出世作でもあるのだというのを知ってもらいたい。

すごい面白い映画であるのは間違いないので本当に全ての人にオススメしたい。