明日、君がいない (2007)

 


「明日、君がいない」(2007)
原題『2:37
 

監督:ムラール・K・タルリ
脚本:ムラール・K・タルリ
出演:テリーサ・パーマー、ジョエル・マッケンジー、チャールズ・ベアード、サム・ハリス、フランク・スウィート、マルニ・スパイレイン、クレメンティーヌ・メラー 他

2時37分、校内で何かが起こった。
冒頭、それはどうやら誰かが自殺したらしいとわかる。
時刻は一気にその日の朝に戻り、カメラは主に6人の男女の模様を描く。
自殺したのは誰なのか、なぜ自殺したのか
私たち観客はそれを考えながら彼らの行動や心境を追う事になる。


この映画の監督をしたムラール・K・タルリは、19歳のときにこの映画を撮影した。

この映画は間違いなく彼にしか作れなかっただろう。
なぜなら彼は"長年の友達が自殺する"という経験を実際にしているからだ。
その経験から、この映画を作るに至ったという。


私達がこの映画を見終わったときに感じる想いは、長年の友達が自殺した当時のムラール・K・タルリ少年の想いとほぼ重なることだろう。

そして彼がこの映画で描きたかったのはまさにそれなのだと気付く。


どんな名匠であろうとこの映画を作ることはできなかったろう。

ただの監督志望の19歳でも作れない、ただ友達の自殺を経験した19歳でも作れない。
監督志望で尚且つ友達の自殺を経験した彼にしか、絶対に作れなかった。

そんな稀有な境遇の彼が精一杯の想いを込めて、亡くなった友人に贈った映画がこの作品なのだ。

この映画を世に送り出してくれた彼に最大の賛辞を贈りたい。