ソウ (2004)

 


「ソウ」(2004)
原題『SAW


監督:ジェームズ・ワン
脚本:リー・ワネル
出演:ケイリー・エルウィス、リー・ワネル、ダニー・グローヴァー 他


一部に根強いファンを持つ大人気「ソウ」シリーズの第一作目。

ジグソウと名乗る連続猟奇殺人犯に拉致され、密室に閉じ込められたアダム(リー・ワネル)とゴードン(ケイリー・エルウィス)。
足は鎖で繋がれ、密室には一つの死体。
生きてここから出るために、ジグソウの考えた「ゲーム」を強制させられる。

スプラッターを前面に押し出したシリーズ、あまり痛い描写が得意ではない私は今まで避けてきた映画なのだが、一作目の評判は確かなものなのでやっとの思いで見るに至った。

後々のシリーズではどんどんスプラッター色の増す本作だが、この第一作目ではそこまでグロ要素はない。
見事なシチュエーションスリラーに仕上がっている。

また、鑑賞前までは単なる「脱出ゲーム」なのかと思っていたがそうではなかった。
この映画の面白味は登場人物の心理や過去、関係などを観客が考察することで見出すものとなっていた。

劇中で語られる事実が絶妙に制限されていて、その効果あって鑑賞後はいろいろと悩まされ考えさせられた。
だが劇中にあるヒントから劇中で語られていない過去や関係がちゃんと導き出せる作りになっているため、謎ばかり残ってわけがわからないという状態にはならない。

この「劇中で明言される事実」の制限が非常に上手い映画といった印象を受けた。


だが一つ、ネタバレありで話させてもらうと、「ソウ」シリーズの完結編である第七作目にて、この第一作目で死んでなければならない人物が出てきてしまうのが残念である。
この人物が生存していたとなると、第一作目で描かれたゲームでジグソウは失敗していることになってしまう。
また、ジグソウは「直接自分では人を殺さない」「ルールは絶対遵守」という理念を持っているはずであるのに、それにも疑問符が浮かびあがる。
「誰かに誰かを殺させる」や「自滅に追い込む」のは確かに直接自分では手を下してないが「時限式で死ぬ装置を被害者にセット」したらそれはもう自分で手を下しているうちに入るだろう、と思う。
そして先に話した人物が生存していたとなれば「ルールは絶対遵守」というのも危うい。「6時 までに相手を殺さなければお前は死ぬ」というルールがあったため、6時までに相手を殺せなかった人物は生存していてはいけない筈である。
これは第七作目が作られるまでは劇中で描かれた事柄から察するに「死んでいた」で解決していたものを「生きていた」としてしまったために生まれた問題である。

なんにせよこのての映画の安易なシリーズ化は避けるのが賢明だっただろう。