トランス (2013)

 


「トランス」(2013)
原題『Trance


監督:ダニー・ボイル
脚本:ジョー・アヒアナ、ジョン・ホッジ
出演:ジェームズ・マカヴォイ、ロザリオ・ドーソン、ヴァンサン・カッセル


主人公サイモン(ジェームズ・マカヴォイ)はギャングと共謀し、オークションに出品された2750ポンドの名画『魔女の飛翔』を盗み出す。
しかしそのさなか、勝手な行動を取ったサイモンに対してギャングのリーダーであるフランク(ヴァンサン・カッセル)が暴行を行う。
その衝撃で名画の隠し場所についての記憶が失ってしまったサイモン。
名画の隠し場所はサイモンしか知らない。
なんとかしてフランクはサイモンに隠し場所を思い出させようと催眠療法士のエリザベス(ロザリオ・ドーソン)を雇うものの…



本作を「名画の隠し場所を探すサスペンス」だと思って見たら、まず間違いなく度肝を抜かれることだろう。

記憶と現実の交差する場面構成、複雑なストーリー、散りばめられた伏線、そして明かされる真実。

物語のキーパーソンはたった3人と少ないのにも関わらず、ここまで複雑なストーリーを練ってきたのは素晴らしい。
そして複雑なだけではなくちゃんと観客に解るように描いたのも合わせて、非常に高く評価できる。

本作を見るに当たっての注意点は、エロもグロも含まれるということ。
そしてやや難解なストーリーのためそれについていける人でないと楽しめないかもしれないということ。

だが鏡や光を使った美しい映像はよく工夫されていて、面白くて芸術的。
エロも芸術としてのエロという感じなのでその辺のポルノ紛いのエロシーンより全然いやらしくない。

誰かと一緒に見ても大人同士ならば別段気まずくなることもないだろう。

そもそもR15+指定なため大人向けの映画であることは察していただきたい。


ここからは余談だが、主演のジェームズ・マカヴォイはもう完全に『脳が似合う俳優』として世間に認知されている気がする。

頭痛持ちだったり、脳が特殊だったり、そんなキャラクターの似合う俳優No.1なんじゃなかろうか。
映画「ウォンテッド」ではアドレナリンの過剰分泌される主人公を演じ、「X-MEN ファーストジェネレーション」「X-MEN フューチャー&パスト」ではテレパシーを使う若き日のプロフェッサーXを演じる。
そして本作「トランス」では記憶を失くし催眠療法にかかる主人公。

眉間に皺が寄ったり、頭を抱えていたり、そういう神経質そうな演技がとてもよく似合う。俳優として独自の路線を獲得したジェームズ・マカヴォイはこれからも長く生き残っていけるといいなあとしみじみ思う。個人的に好きな俳優なのでぜひ頑張ってほしい。