劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ (2013)

 


劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ」(2013)


監督:若林漢二
脚本:花田十輝
出演:宮野真守、今井麻美、花澤香菜、関智一、後藤沙緒里、桃井はるこ、田村ゆかり、小林ゆう 他


2009年にXbox360用ソフトとしてリリースされたゲーム「STEINS;GATE
そのあまりの完成度の高さ、面白さから徐々に人気は広がり、2011年に遂にアニメ化された。



映画「バタフライエフェクト」を彷彿とさせるストーリーでありながら、舞台は現代の秋葉原。
主人公は重度の厨二病、相棒はネットスラングを多用する極度の肥満のスーパーハッカー。
ヒロイン達には天才科学者で重度の@ちゃんねらー、ズバ抜けた天然を誇る幼馴染、猫語で喋る秋葉のNo.1メイド、巫女服を着た男の娘、戦士のような謎の言動を繰り返すアルバイター、極度の携帯依存症
会話には厨二病発言やネットスラング、科学の専門用語や架空の理論が数多く飛び交う。

現代の秋葉原で信じられないほど個性的なキャラクター達が織り成す時間跳躍の物語。

仲間を救うため時間跳躍の旅をする主人公が行う、数々の苦渋の選択。
仲間を救うために、仲間の想いを犠牲にする。
そして最後に待つ、究極の選択。
辿り着く、物語の結末。


ゲームではプレイヤーの選ぶ選択肢によりエンディングが複数に分岐するが、アニメ版ではゲームのトゥルーエンドを描いた。


本作の舞台はそのトゥルーエンドから一年後、壮絶なタイムリープを繰り返した岡部倫太郎(宮野真守)が遂に辿り着いたシュタインズゲート世界線。
だが度重なるタイムリープと過去改変の代償として、岡部倫太郎はシュタインズゲート世界線から0.000001%ズレたR世界線に1人取り残されようとしていた。
周囲の記憶から薄れていく岡部倫太郎を救うべく、岡部倫太郎により禁じられていた時間跳躍の旅に出る牧瀬紅莉栖(今井麻美)の苦悩を描く。
本作では牧瀬紅莉栖にスポットを当て、今まで度重なる過去改変を行ってきた岡部倫太郎の苦悩と決意に、牧瀬紅莉栖本人が直面することになる。


この映画は今までのシュタインズゲートの物語を知っている事が前提の映画なので、興味があるならば原作のゲームをプレイするかアニメを視聴しておく事を強くオススメする。

ファンにとっては涙なしでは見られない映画である。


そしてこの映画をオススメすると共に、私は「STEINS:GATE」という作品自体をオススメしたい。
確かにキャラクター達の個性が強くネットスラングも多いので、敷居は少し高いが、この物語の面白さは折り紙付きである。

「バタフライエフェクト」などタイムリープものが好きな方はぜひプレイ、もしくは視聴してみてほしい。


また、本作で出てくるあったかもしれない世界線のシーンは原作のトゥルーエンド以外のエンディングのシーン。これはちょっとした原作ファンへのサービスである。
アニメしか見ていない人は、ゲームをプレイしてみるともっと面白いのでぜひオススメしたい。

まだSTEINS:GATEという作品自体に触れていない方は、ぜひゲームをプレイしてみることをお勧めする。
Xbox360用ソフトとしてリリースした本作だが、現在までにほぼ全てのゲーム機種でソフトが発売しているので、自分の所持しているゲーム機のソフトを買えばそれでプレイ可能だ。

非常にストーリー重視の作品なので、ゲームの方がアニメより細かく描写されていて疑問が残りにくいからだ。
それに「記憶を消してからもう一度プレイしたいゲーム」と評価されるほどに初見の感動が凄まじい。
なのでSTEINS:GATEとのファーストコンタクトはより完成度の高いゲームの方を選ぶべきだろう。
だがクリアまでに非常に時間のかかるゲームのため時間のない人はより気軽に見れるアニメという選択も十分にアリだ。



また、この劇場版を通してアニメシリーズの最大の欠点はそのキャラクターデザインだろう。原作のキャラクター絵を元にアニメ用に作画されているわけだが、正直このアニメーションの作画レベルはあまり高くない。
もう少し原作の絵を忠実に作画できていたら、完璧な映像化と呼べる作品になっただろうだけに非常に惜しい。

それでもこの作品が高く評価されているのは、やはりその欠点を持っても余りある優秀なストーリー所以だろう。