エクスペリメント (2010)




「エクスペリメント」(2010)
原題『The Experiment


監督:ポール・T・シュアリング
脚本:ポール・T・シュアリング
出演:エイドリアン・ブロディ、フォレスト・ウィテカー 他


2001年のドイツ映画「es」のアメリカリメイク作である本作。

主演は「プレデターズ」や「戦場のピアニスト」「ヴィレッジ」のエイドリアン・ブロディ。
1971年、アメリカのスタンフォード大学で実際に行われた『スタンフォード監獄実験』を題材にした映画です。

スタンフォード監獄実験

みなさんご存知でしょうか?
結構有名なので知ってる方も多いとは思いますが、簡単に説明しますと。

心理学者フィリップ・ジンバルドーの指導のもと、スタンフォード大学の地下に作られた擬似刑務所にて一般人を『囚人』と『看守』の2つのグループにわけます。

そしてわけられたグループ毎に実際の囚人や看守と同じような環境でそれぞれ囚人と看守を演じさせるのです。
それを継続していくうちに囚人役はより囚人らしく。
看守役はより看守らしく心理状態が変化していくという心理実験でした。
しかしジンバルドーは次第に変化していく彼らを常に見ていたにもかかわらず、とうとう一線を越えてしまった彼らを止めようとはしなかったのです。
何も悪いことなどしていない囚人役、何も偉いことなどない看守役。
その筈なのに看守役はどんどんエスカレートし、囚人達に屈辱感を与えるためにほぼ素手でのトイレ掃除や靴磨きなどをさせてしまう。
学者としてそのリアリティ溢れる彼らの行動に次第に飲まれ、とうとう禁止されていた暴力をするにまで至った彼らをジンバルドーは止めようとしませんでした。


そんなこのスタンフォード監獄実験を終わらせたのは、ある牧師でした。
実際の監獄でもカウンセリングをしているその牧師にジンバルドーが依頼し、囚人役の彼らの心理状態を診てもらっていたのです。
囚人役を診た牧師は「実際に監獄に入れられた囚人の初期症状と全く同じ。実験にしてはあまりに出来過ぎている。」とジンバルドーの実験を非難します。

そして次第にエスカレートしていく彼らを止めようとしないジンバルドー、実験のリアリティに飲まれ判断力を欠いたその状況を見て、被験者たちの家族に連絡。その家族達は弁護士を引き連れて実験の中止を訴えます。


これにてスタンフォード監獄実験は終了を迎えました。
その実験期間は、たったの6日。

たったの6日でここまで大きな変化が起きてしまったのです。

と、まあこれが実際にあったスタンフォード監獄実験の大まかな概要です。

本作はこの実験を題材にした映画ですが、実際の出来事とはかなり違う内容も描かれているのでノンフィクションではありません。
フィクションです。


あくまでスタンフォード監獄実験を題材にしたフィクションとして見てください。


そうして見れば、本作「エクスペリメント」
なかなか良くできた映画だと思います。

スタンフォード監獄実験という題材を上手く活かし、映画として面白い展開を用意してちゃんとまとめている。

ノンフィクションを謳うならば事実に沿ったストーリー構成にしなければなりませんが、フィクションなら良いんです!
あまり映画のジャンルで『スリラー』という表現の仕方は好きではないんですが、
この作品をジャンル分けするならばきっと『スリラー』がぴったりだと思います。

アクションスリラーとかサスペンススリラーとかホラースリラーとか、スリルのないアクションやサスペンス、ましてやホラーなんてあるか!!

という理由でスリラーというジャンル呼称はあまり認めませんが
スリルの一点に力を注いだ作品ならばスリラーというジャンル分けをするのが正しいと思えます。
本作エクスペリメントは、そんな作品の一つです。

なのでスリルを求めている方には特にオススメできる作品だと私は思います。
 
ちなみに本作以外で私がジャンルをスリラーだとしている映画は、やはり「リミット」が1番に思いつきますね。
 
あの映画は本当に凄いので、また近々ちゃんと記事にしたいと思っています。