ニュー・シネマ・パラダイス (1988)




「ニュー・シネマ・パラダイス」(1988)
原題『Nuovo Cinema Paradiso


監督:ジョゼッペ・ペルナトーレ
脚本:ジョゼッペ・ペルナトーレ
出演:フィリップ・ノワレ、ジャック・ベラン、サルヴァトーレ・カシオ、アニェーゼ・ナーノ 他


映画に魅了された少年トトと、村の唯一の映画館で映写係をしているアルフレード。

歳の離れた2人の奇妙な友情
成長したトトと恋人のエレナの愛情

そして何より映画の力を描く作品。


舞台はイタリア、シチリア島の辺鄙な村。
その村にある映画館「パラダイス座」を軸に物語は進む。


この映画、実はいくつものバージョンがある。
その中でも劇場公開版とディレクターズ・ カット版では大きく内容の異なる作品である。


劇場公開版が123分の上映時間なのに対して、ディレクターズカット版は173分。
実に50分ものシーンが追加されているのだ。


そして今作の魅力の一つ、あまりにも有名なラストシーン。
あのラストシーンの意味合いが二つのバージョンで大きく異なる。

同じラストシーンなのだが、劇場公開版では「少年時代の映画を愛する心を取り戻す」意味合いがある。
そしてディレクターズ・カット版では「エレナに縛られていた心の解放とそれに伴って映画を愛する心を取り戻す」というシーン。

ラストシーン以外にも劇場公開版ではパラダイス座を中心とした物語だが、ディレクターズカット版ではトトの人生を中心としている。

完全に個人的な余談だが、実はこの映画は名作だと知りつつも長年見ようとはしなかった。

今までずっとSFやアクションばかりを見てきて、最近(と言っても数年前)になってやっとこの手の映画も手当たり次第に見るようになった。
 
そしてこの映画を見る直接のきっかけになったのは、好きな作家の小説にこの映画の話が出ていたからだった。
 
野崎まどさんの『2』という映画を扱った小説にこんな一節がある。
 
 
唇が触れる。
もしカメラが回っていたら。
今のカットも、あの名画のラストに入れてもらえただろうか。
大人になったトトの心を動かすことができただろうか。
 
 
言うまでもなくニュー・シネマ・パラダイスの事なのだかこの一節をきっかけに、本作を見ようと思いました。
 
 
 
野崎まどさんの小説はどれも面白いので、もし気になったらぜひ読んでみてください。
 
ですがその際にはデビュー作である『[映]アムリタ』から発行順に読んでいくことを強くオススメします。